2015年03月10日

将棋NHK杯で久々の二歩発生!

 9日のNHK杯テレビ将棋トーナメントで久々にプロ棋士の二歩を見た。

 二歩をしたのは、「羽生さん? 強いよね!」のモノマネインタビューで有名な橋本崇載八段。先に二歩に気づいて頭を抱えたのは、相手の行方尚史八段。その直後に橋本八段も気づいて頭を抱えた。映像では、どちらかというと行方八段のほうが仰天している様子で、「こんなことで勝って申し訳ない」という表情でさえあった。

 プロ棋士も人間なので、二歩、王手放置、角の筋違い、などの反則負けがあるが、アマの私はもちろん一通りしでかした。でも、糸谷竜王のように、取った駒をなぜか相手の駒台に置く、一手目で駒を取り二手連続で指す、などはさすがにやったことはない。

 物事を突き詰めて考えすぎると空間の上下左右が分からなくなるパニック障害や不安障害の方々はけっこういらっしゃるのだが、おそらく糸谷竜王に発生した心境もこれらに似ており、頭を使いすぎて、一瞬、どちらが自分の駒台なのか、今指したのが自分なのか相手なのかが本当に分からなくなったのだと思う。

 ただしネット将棋では、ほとんどの場合、二歩が打てないなど反則そのものができない仕様になっているから、反則の不安感やスリルはない。

 私が指したことのあるネット将棋サイトの中では、「81道場」だけが「反則ができる」仕様で、私も「81道場」では二歩をやらかしたことがある。打った瞬間、「ほわわわわーん」という残念なサウンドが鳴るので、なんだか非常に自分が情けなくなる作りだが、それはそれで面白い。

 それにしても、今回も橋本八段が「すみません」と謝ったのはすばらしい光景だった。

 基本的にプロ棋士もアマも、意図的ではないにせよ、反則をしたら相手に謝罪すべきだと私も思っているし、私もネット将棋で反則をしたときにはチャットで謝った。過去のプロ棋士の反則の映像を見ても、性格による口調の差はあるものの、多くの棋士がすぐに「申し訳ありません」、「失礼しました」と謝っている。

 負けを悔しがるより前に、二歩をしてでも相手の駒を不当に攻撃した自分を恥じて謝罪するという姿勢も、将棋という文化が受け継いでいくべき美徳だと考えている。
タグ:将棋
posted by 岩崎純一 at 22:20| Comment(0) | TrackBack(0) | 趣味の話

2015年03月08日

3月14日の鉄道路線の開業・廃止とダイヤ改正に伴う個人的メモ

目次
■実はかなりの一大事
■上野東京ライン開業
■京浜東北線vs山手線の「並走ごっこ遊び」と「出会いと別れ遊び」は3月14日以降も健在か!?
■湘南新宿ラインも頑張れ
■「北斗星(最後のブルートレイン)」、「トワイライトエクスプレス」、「北越」などの廃止
■北陸新幹線開業
■おまけ(路線の複雑化と高齢化社会)
■おまけ(共感覚で覚えるべき路線が増えるのは嬉しい)
【画像出典】



■実はかなりの一大事

 私は今は東京都民だから、東京都内の鉄道事情ばかり見てしまっていますが、少し調べた限りでも、今年の3月14日は全国的に、路線の開業・改編・廃止、列車の開業・廃止、駅の開業・廃止、SuicaなどのICカードの導入などが合わせて100件以上は行われる見通しのようです。

 全部挙げているとキリがないので、自分に関係するところだけ(思い入れが深いところだけ)をピックアップ。


UenotokyoLineLogo_Olignal.png■上野東京ライン開業

 石川さゆりの『津軽海峡・冬景色』の冒頭に「上野発の夜行列車おりたときから」とあるように、基本的に近代日本の鉄道網整備以降、東北への玄関口は上野駅と決まっていたわけですが、今になってようやく上野駅以北(東北本線・宇都宮線・高崎線・常磐線)から東京駅以南(東海道本線)への直通運転が開始されることになりますね。

 これまでにも、一部の東北本線(宇都宮線・高崎線)や常磐線は上野・東京間を走ってはいましたが、あくまでも臨時の扱いでしたし、上野東京ラインは新たに敷設された高架橋を走ります。

 と大げさに書いてみましたが、東北大震災の影響もあって2年ほど開業が遅れた模様です。

 利用頻度の高い自分のためにも、今一度、最も複雑な区間について確認しておきたいと思います。
(【3月15日の追記】上野・東京間は、JR東日本のYouTube公式チャンネルに動画が挙がっていましたので、動画の該当部分をそれぞれ追記しました。)



◆動画よりも手前
 まず、日暮里駅付近で京浜東北線・山手線と東北本線(宇都宮線・高崎線)・常磐線(後者の二路線の一部が「上野東京ライン」)とが合流・並走。
 ↓
◆動画よりも手前
 一部の東北本線と常磐線(主に特急)が鶯谷駅・上野駅にかけて地下に潜り、東北新幹線も地下に合流。
 ↓
◆動画の0:00〜2:00
 地上に上野東京ライン・京浜東北線・山手線・多くの東北本線と常磐線、地下に東北新幹線・一部の東北本線と常磐線(主に特急)が位置している状態。すぐに地面が下がり、御徒町駅にかけて前者が高架となる。
 ↓
◆動画の2:00〜2:50
 御徒町駅・秋葉原駅間にある電留線(動画の2:05〜2:30で左に見える)の地下から再び東北新幹線が左を駆け上がる(動画の2:30〜2:50にかけて)
(ここではまだ上野東京ライン・京浜東北線・山手線のホームだけが高架で、東北新幹線を左に見下ろす。)
 ↓
◆動画の2:40〜3:00
 さらに、秋葉原駅から神田駅にかけて上野東京ラインが東北新幹線の真横右を駆け上がり、やがて右から覆い被さる。
(ここで上野東京ラインが最上層、東北新幹線がその直下、京浜東北線・山手線・中央線・総武線の神田駅が最下層になる。)
 ↓
◆動画の3:25〜3:45
 再び上野東京ラインが真ん中に駆け下りてきて、東北新幹線の真横右下まで下がる。京浜東北線と山手線はもっと右下に下がる。
 ↓
◆動画の3:43
 この瞬間は、上野東京ラインだけが首都高で頭を打ちそうになる。
(設計がギリギリ。ここをギリギリにしないために数百メートル前から早めに高架を下げ始めることは、直下に東北新幹線がめり込んだ状態で、かつ新幹線の右下にも京浜東北線・山手線が通っているので、できない。)
 ↓
◆動画の3:45〜最後
 最上層から東北新幹線、上野東京ライン、京浜東北線(南行)、山手線(外回り)、山手線(内回り)、京浜東北線(北行)の順に階段状に東京駅に入る。中央線は、これらよりも高いところに入る。

 結果的に、全ての路線がDNAの螺旋構造のように、上下左右に合流と離脱、高架部分と地下部分とを繰り返しながら、基本的には並走するわけで、これまでは、通勤・通学ラッシュの時間帯以外の日中は「京浜東北線が山手線(各駅停車)の快速」という役割を担っていて、「この両線は東京のものだから、東北へ行くなら上野駅を使ってね」という雰囲気だったのが、これからは、「東北新幹線が上野東京ラインの特急、上野東京ラインが京浜東北線の急行、京浜東北線が山手線の快速」という多重構造になるわけです。京浜東北線の快速(日中)の停車駅も増えるようです(神田駅、土日の御徒町駅)。

 このように、光景としてはかなりカッコよいと思うのですが、ものすごいゴチャゴチャ具合と高々架橋ですから、結局、これらの路線を最短最速でうまく乗りこなせるのは頭を使うことをいとわない乗客だし、周辺住民の騒音や日照権の問題も片付いていないらしく、一悶着ありそうですね。私のような、外から来た元東京都外民としても注目したいところです。


■京浜東北線vs山手線の「並走ごっこ遊び」と「出会いと別れ遊び」は3月14日以降も健在か!?

 以下は、私が勝手に考えた「一人遊び」です。

 田端駅─品川駅間では、通勤・通学ラッシュの時間帯(京浜東北線が快速化するまで)には京浜東北線と山手線が全く同じ駅に停車するので、両線の混み具合(乗降客数)がほぼ一致していて、かつイレギュラーの駆け込み乗車などがない場合には、田端駅から品川駅までほぼ寸分の狂いもなく両線の列車が並走することがあります。上り線と下り線はそれぞれがセットになっているので、文字通り約1メートル隣どうしの並走です。(厳密には、東京駅を挟んで運行されているので、「上り」・「下り」ではなく「北行」・「南行」と呼ばれていますが。)

 運転士は別に「ごっこ遊び」をしているわけではなく、マニュアル通りに安全運転をしているわけですが、この光景を見るだけで気分が安らぎます。

 うまく並走すれば、田端駅の直前と品川駅の直後で、京浜東北線と山手線の出会いと別れを見ることができます。

 もう一つの「出会いと別れ遊び」は、山手線を外回りか内回りで約半周回った場合に、乗車した駅で逆方向に出発した山手線と再会できるか、あるいはどの場所で再会できるかという「一人遊び」です。わざわざそのために乗ったりはしませんが、何かのついでに眺めて遊んでいます。再会場所がほとんどのケースでほんの数十メートル以内に収まっており、電柱や高架の支柱まで特定できる完璧なダイヤの環状線を有する国は、日本だけだと思います。

 厳密には、ラッシュの時間帯には、山手線本線上に一度に走行している本数が、外回りは25本、内回りは24本のようですが、日中はどちらもそろえて18本前後であるのに、やはり当然内回りのほうが距離が短く、回転が速いことから、外回りと内回りとで再会のタイミングが微妙に異なります。

 基本的に、先頭車両の正面に書いてある車両番号はすれ違い時には読めないことが多く、車両横に書いてある「モハ」といった表記では区別できないので、減速時に読むか、運転士や車掌の容貌で判断することが多いです。


■湘南新宿ラインも頑張れ

 あと気になるところと言えば、湘南新宿ラインとの関係ですが、いかんせん、埼京線の板橋駅と十条駅がいまだに通過禁止駅(回送・臨時列車などを含む全ての列車が一時停止しなければならない指定駅)で、湘南新宿ラインも、停車を回避するために事実上「田端駅方面大回りライン」となっているので、埼玉から湘南方面への移動にも上野東京ラインが多用されるかもしれませんね。


1024px-EF510-501_hokutosei.JPG■「北斗星(最後のブルートレイン)」、「トワイライトエクスプレス」、「北越」などの廃止

 3月14日のもう一つの大きな出来事としては、ブルートレインやトワイライトエクスプレスの廃止があります。

 ここ一ヶ月は、上記の上野東京ラインの開業前の線内を、乗客が一人もいない「北斗星」が寂しそうに行ったり来たりしており、撤収作業が続けられています。ブルートレインには一度しか乗ったことがないのに、「寂しそうに」と擬人化してそれらしく書いてしまいましたが。

 かえってこれだけ頻繁に「北斗星」を見られる機会もないと思いますが、昨日、私が乗っていた京浜東北線や山手線の乗客の車両の中で、スマホや本から目を離して車窓から外を並走する「北斗星」を眺めた人は、私と、前の方にいた老人一名のみ(苦笑)。

 結局、我々がブルートレインやトワイライトエクスプレスを必要としなくなったから、廃止されるわけで、誰も乗らないものを感傷的な追憶のためだけに走らせる余裕は鉄道事業者にもないでしょうね。廃止は仕方がないところです。


■北陸新幹線開業

 これももちろんおめでたいことではあるのですが、個人的には全く利用予定がないので、まだ臨場感に欠けるところです。今のところ身近な東京都民で開通を喜んでいるのが軽井沢や妙高や小松に別荘を持つ別の世界の方々のみだということも影響していますが、おそらく北陸の人たちの声を聞けば、全く異なる意見であるに違いありません。

 加賀や越前、越中の文化と東京首都圏の文化が直結することは、それはそれで非常によいことだと思います。


■おまけ(路線の複雑化と高齢化社会)

 時々、「お前が京浜東北線の快速は神田に止まるといったから乗ったんだ!」、「いいえ、私は言ってません!」といった類の高齢者夫婦による鉄道関連の大喧嘩に出会います。

 しかも、大ゲンカ中の見ず知らずの高齢者夫婦から、なぜか私が適任の仲裁者か救世主にでも見えるのか、スタスタとそばを通り過ぎようとしているところを、よく呼び止められて道を聞かれます。イジワルで「ご主人は東京へ、奥様は上野へどうぞ」と答えようかと思いつつ、それはさすがにイジワルすぎるので、丁寧に答えますが。

 個人的には、身の回りの鉄道情勢(路線の高度な変遷や複雑化・自動システム化だけに限らず、小さな最寄り駅やそのそばの商店街、人情の機微の変化なども含む)にだけでも、まだ心身共に元気なうちから追いついて行くことは、ボケや認知症、イライラ感情の予防や多くの「笑顔の創出」にもなるのではないかと思うのですが、高齢者の方々の皆が皆そう思っているわけではないようだし、今回の上野東京ラインの開業も、上記の通りの複雑化を伴うので、高齢者がいっそう面倒くさがり、こういった夫婦喧嘩の光景や、自ら多少の路線やダイヤの把握の努力をする前に駅員にどなりまくる光景に出会う機会も増えるのではないかという点は、心配です。

 そういう意味では、昨今の鉄道網の複雑化・高度化は、パソコンやスマホのそれらに似ているなと思います。私の中では少なくとも、鉄道網の変遷・鉄道情勢と人間の性質そのものの変異や少子高齢化社会・格差社会への危機感とは、かなり密接に結びついてしまっています。

 いずれにせよ、日本の鉄道事業者が有する技術やダイヤ運行の世界稀に見る完璧さには、常々感謝すべきだと思っています。


■おまけ(共感覚で覚えるべき路線が増えるのは嬉しい)

 全く違う話題を書きますが・・・。

 今のところ、共感覚のページに載せている鉄道関連の共感覚の例は、挙げるとキリがないので、東京メトロ(とりわけ丸ノ内線)だけですが、鉄道網が複雑化するたびに、それだけ自分の共感覚による色彩や空間認識の変遷を楽しめるというのは、共感覚者に与えられた幸せかもしれないと思っています。

「知覚・共感覚」のページ
http://iwasakijunichi.net/synaesthesia/


【画像出典】
上野東京ライン
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%B8%8A%E9%87%8E%E6%9D%B1%E4%BA%AC%E3%83%A9%E3%82%A4%E3%83%B3
北斗星 (列車)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%8C%97%E6%96%97%E6%98%9F_%28%E5%88%97%E8%BB%8A%29
posted by 岩崎純一 at 19:55| Comment(0) | TrackBack(0) | 趣味の話